報われるのは皮膚のバリアを強化する努力ではなく、消化管のバリアを健全化する努力。これが秘訣。
最優先事項
アトピーを治すため「胃腸の健全化」に取組もう!
こんな風に言われても、アトピー患者の大半はピンと来ません。実感が沸かないのです。
これはある意味仕方が無いですね。だって痒いのは皮膚で胃腸なんて痛くも痒くも無いから。それに皮膚は見えても胃腸は見えないですから。
また皮膚科でも胃腸の話なんて出ないし、アトピー性皮膚炎治療ガイドラインにも『胃腸』の文字は登場しません。
なのでいきなり「胃腸の健全化」と言われても患者は「???」となる訳ですね。
ではアトピーを治すのにどうして「胃腸の健全化」は最優先項目なのでしょう?
それは消化管が人体最大の「免疫臓器」だからです。そう。免疫臓器なんです。消化管は。しかも人体で最大の。
アトピーの治療では、この当たり前の事実が軽視されている気がします。補足すると、消化吸収機能は自律神経機能と共に生体のもっとも基本的な要素で、生命活動の土台として体内の全ての器官や組織に影響を及ぼしています。
さらっと書きましたが、ココ、超重要です。なので繰返します。
消化吸収機能は、自律神経機能と共に、生体のもっとも基本的な要素で、生命活動の土台として、体内の全ての器官や組織に、影響を及ぼしています。
今、自律神経系は少し横に置いておきます。で、消化器系。これは循環器系や呼吸器系、内分泌系や生殖系等、全ての器官の土台。 つまり基礎なんです。
なので当然、免疫系にも多大な影響を与えている。これって、そもそも皮膚のバリアがどうこう言う以前の問題で超、超、超重要。
根治療法の基本は「快便」
ところが、大抵こっち(消化器系)には目を向けません。で、「アレルゲン除去だ!」「皮膚のバリア強化だ!」ってやってます。
ところがそんな努力をしても、消化管の働きが悪いと敵と見方の区別が付かない免疫細胞を配置させたままなので、アトピーは一向に良くならない。
私の場合、皮膚に焦点を当てた治療を10年以上続けてもダメでした。自分では精一杯頑張ったつもりです。でも結局、症状をコントロールする域を出ないんですね。
今思えばそれは「治る理由がない」だけの話ですが、使ったお金と時間はもう返ってきません。
事実、この方向の治療はお金(治療費)もバカになりません。何をやっても高いんです。実際、お金も底を尽きかけた。で、仕方がないので毎朝、立派なウンコを出すことだけに専念した。
余計なことは考えず、毎朝、立派なウンコを出すことだけに専念したのです。
すると、あれほど頑固だった皮膚の痒みが弱まったのです。一気に消えた!なんてどこかのキャッチコピーみたいな感じではなく、毎日確実に炎症が消え、同時に痒みも消えた。
この時の驚きを何と表現すればいいのでしょう。まさに私の人生に奇跡が起きた瞬間でした。
腸内環境より「胃腸の健全化」
この経験から私が学んだこと。
それは慢性化した頑固なアトピーを治すには、いきなりワンステップで綺麗な肌を目指すのは得策ではないということ。
順番はキレイな肌よりキレイな腸壁。こっちの方が先。それは太くて立派な便です。
胃腸の働きが良くなれば、自ずと元気が出ます。そうなれば必然的に治癒率は高くなる。これが「自然の摂理」というもの。
ところで、「胃腸の健全化」って何をすればいいのでしょう?
その前に注意!
「胃腸の健全化」に無理な我慢は禁物です。状況に応じてどんな環境にも対処できる自分を目指すのが根治療法。当然時間は掛かります。でも「改善」ではなく「完治」を目指すなら根治療法は避けて通れません。
アレルゲンにビクビクするより、どんなアレルゲンが侵入しても大丈夫な自分を目指す方がやる気も出ます。それに根治療法は自己管理が中心でお金も掛かりませんしね。
<よくある質問>
「どれぐらいの期間、胃腸の健全化に取組めばアトピーは治るのですか?」って。それは個人差があるので言えません。近道もありません。でも諦めないで続けることで実感(体感)を得て、手ごたえを感じるはずです。
では次に「胃腸の健全化」の秘訣を3つ。順番に紹介します。